著者
磯部 悠
出版者
大阪大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2019-08-30

CO中毒死事例は年間2,000人前後であり、日本の中毒死亡者の半数近くを占める。法医解剖事例においてCO中毒死事例が散見されるが、その中には血中CO濃度が致死的高濃度でないにも関わらず、死に至った事例が複数存在する。法医解剖業務の一環として死因究明を目的にゲノム解析を実施しており、当該事例においてはミトコンドリア遺伝子の高病原性希少変異が同定された。本研究では法医解剖事例におけるCO中毒死事例のCOによって障害を受ける心臓、脳などの臓器所見・ミトコンドリア遺伝子の変異・当該組織の遺伝子発現量情報を組み合わせたマルチオミクス解析を実施することにより、非致死的CO濃度で死に至る機序の解明を目指す。