著者
社本 生衣 小松 万喜子 米田 雅彦
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.245-254, 2018 (Released:2019-02-05)
参考文献数
18

目的:臥床状態で負担が少なく細菌汚染を除去できる洗髪技術を考案しその効果を検証する.方法:湯量(5 L・10 L),湯の流し方(手掌を椀状にして溜め湯をつくり揺らしながら流す・頭髪に指を通して流す)を組み合わせた4つの洗髪方法で健康成人各5名に実施し,洗髪前後の頭髪および頭皮の細菌数(ブドウ球菌),トリグリセライド(TG)量,主観的評価を調査し,実施前を基準として変化率を算出した.結果:細菌数は,頭髪では10 Lで溜め湯の中で頭髪を揺らして流す方法で0.34 ± 0.05と減少した(p < 0.05).頭皮は全方法で1未満となったが湯量が多い方がより減少した(p < 0.05).TG量は,頭髪も頭皮も湯の流し方に関らず湯量が10 Lの方が減少した.主観的評価に有意差はなかったが,溜め湯をつくって流す方法で爽快感が高い傾向がみられた.結論:10 Lの多めの温湯で,手掌を椀状にして溜め湯をつくり頭髪を揺らして流す方法が細菌汚染を効果的に減少させる.