- 著者
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神保 晴紀
古松 茜
福永 淳
清水 秀樹
錦織 千佳子
山下 純史
皿山 泰子
原田 晋
- 出版者
- 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
- 雑誌
- 皮膚の科学 (ISSN:13471813)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, no.4, pp.278-284, 2014 (Released:2014-11-08)
- 参考文献数
- 14
ニューキノロン系抗菌剤による即時型アレルギーの3例を経験した。ニューキノロン系抗菌剤は構造式上,本環の母核が2環もしくは3環から成るものに大別される。症例1では2環系キノロンのシプロフロキサシンとモキシフロキサシンが,症例2では3環系キノロンのレボフロキサシンとパズフロキサシンが,症例3ではレボフロキサシンとその光学異性体を含むオフロキサシンが,それぞれ感作薬剤と交差反応を示した薬剤であった。抗原決定基は2環系キノロンでは1位側鎖のシクロプロピル基,3環系キノロンではピリドベンゾオキサジン環にあると考えた。同系のキノロン同士では交差反応が生じやすく,他系統間では起こりにくいと考えた。(皮膚の科学,13: 278-284, 2014)