著者
神保 良弘 由井 亮 由井 亮
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.9-13, 2012-10-15

当社のシステム開発では,設計工程(品質の作り込み工程)と試験工程(品質の検証工程)のそれぞれにて定量的分析手法を用いた品質管理を実施している.定量的分析に用いられる指標値は,プロジェクト計画時の開発規模と過去のプロジェクト実績,プロジェクト特性を用いてカスクマイズし設定している.母数として使用される開発規模は,アプリケーション開発における設計規模(Ks),製造規模(Ks)を想定しているが,システム基盤開発のように設計規模や製造規模をKsだけで評価できない場合においては適切な測定,評価ができていない.特にビジネスパートナーであるベンダヘシステム基盤開発部分を作業委託した場合には,明確な受入基準が存在しないため,発注先ベンダによって品質確保のレベルに偏りが出てしまっている状況である.その結果,サービス開始後のシステムトラブルに発展するケースも散見される.本稿では,システム基盤開発における定量的な品質確保手法の取り組み,及び実際のプロジェクトに適用した際の事例を紹介する.