- 著者
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神原 富民
高橋 玲爾
石井 猛
- 出版者
- 公益社団法人 日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, no.12, pp.30R-37R, 1961
最近のポーラログラフィーの進歩について特筆大書すべきことは,創始者のHeyrovsky教授が1959年度のノーベル化学賞を受けられたことである.第2回国際ポーラログラフ会議は1959年夏Londonで開催され,そのときのProceedingsはI.S.Longmuirの編集によりPergamon Pressから出版されたが,本総説に多数の交献が引用されているように,ポーラログラフィーの新しい傾向を知るのに,きわめて重要な存在である。英国のポーラログラフ学会の活躍も注目に値し,J.Polarographic Societyが刊行されており,日本では電気化学協会ポーラログラフ委員会が解散して,日本ポーラログラフ学会が生まれ,その活動は新段階に入ったが,その学会誌「ポーラログラフィー」には重要な論文が多い.特に強調すべきことは,舘教授を委員長とする原案作製委員会が作成した「ポーラログラフ分析法通則」の原案が発表されたことで,この通則はポーラログラフ分析上,いわば法的拘束力をもつものであり,またその解説もすぐれており,今回若干の修正をへてJIS K0111(1961)として採択された.このような標準化の作業は,学界,業界に貢献するところ大きく,今後とも関連分野において推進されることであろう.