著者
神原 理
出版者
公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構
雑誌
年金研究 (ISSN:2189969X)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.3-26, 2022-03-31 (Released:2022-03-31)
参考文献数
5

本稿では、サラリーマンのワークライフバランスに焦点をあて、その影響要因(因果関係)と構造、及び、そこから導き出される課題を明らかにした。因子分析の結果、ワークライフバランスに影響を及ぼす主要因は、「就労環境」や「積極的な生活姿勢」であり、特に「仕事への満足度」が重要な存在であることが明らかになった。クラスター分析からは、「Clu01.低バランス層(30-40 代、未婚率が高く、世帯収入と金融資産が少ない)」「Clu02. 中バランス層(Clu01.とClu03.の中間値にある層)」「Clu03.高バランス層(50-70 代、既婚率が高く、世帯収入と金融資産が多い)」という3 層構造の存在が浮き彫りとなった。 サラリーマンの間で「ワークライフバランスの階層化」が生じている。