著者
神庭 弘年
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.55-58, 2006-10-15

今日の社会では人々は,あらゆる場面でシステムとの接点を持たざるをえない.ヒューマンエラーと言われる,操作者の些細なミスが大事故を引き起こしたり,障害を引き起こした例は沢山報告されている.これらの"些細なミス"の中に理解しにくい,誤解を生みやすいインターフェースが原因となっていたものがないであろうか?一般にプロジェクトは作り手側に属するため,ユーザインターフェースは作り手中心に考えられてきた.しかしそれではヒューマンエラーを減らすことは出来ないのではないか?高度なシステムへの要求が高まれば高まるほど,優れたユーザインターフェースが重要になるが,それに応えるインターフェースの品質検討をどのように進めればよいのであろうか.プロジェクトマオジメントはもともと学祭的な研究対象であり,本稿は認知科学分野の紹介であるが,システムの品質についての重要な考慮点を共有できればと考える.