著者
五味 暁憲 横尾 聡 神戸 智幸
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

開鼻声値(NS)は鼻咽腔閉鎖機能(VPC)の評価に有用だが,高齢者のNSは不詳である。本研究はNSを用いた高齢者のVPC評価を可能にする条件を探るpilot studyである。健常高齢者9名について母音,子音,低圧文「よういはおおい」,高圧文「きつつきがきをつつく」のNSを測定した。主なサンプルのmeanNSの平均値は/a/25%,/i/41%,低圧文23%,高圧文23%であった。また低圧文のmaxNSは平均52%で,高圧文は平均70%であった。過去の報告と比し高圧文,低圧文のmaxNSが若年者より高値であった。この結果を踏まえると,高齢者に限定したNS基準値は必要と思われる。