著者
神戸 陽介 斉藤 文彦
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.748-755, 2010-09-25 (Released:2011-08-25)
参考文献数
11

教育の現場でよく用いられるドリルテキストは,繰り返しの学習により知識や技能を修得することを目的としている.しかし,ドリルテキストは,直接鉛筆で書き込んで使用する構成になっている場合が多く,繰り返し学習が困難である.本稿では,書き込み済みのドリル画像から,手書き鉛筆線のみを除去する手法を提案する.この処理をコピー機やスキャナに搭載することで,書き込み済みドリルテキストを再び使用することができるようになり,上記問題が解決すると考えられる.提案手法では,書き込み筆記具の画像特徴に着目する.鉛筆線の画像特徴を判別することで,書き込みの種類や形状によらない消去処理を行うことが可能となる.実験より,鉛筆線は99%程度の精度で除去することができた.また,印刷を誤って消去する誤消去も非常に少なかった.