著者
伊藤 雅典 斉藤 文彦
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.377-384, 2011-03-25 (Released:2011-08-25)
参考文献数
12

近年における情報化社会の発展により,個人認証の機会および必要性が増加しつつある.特に,パスワードや鍵のように盗用や忘失の恐れがなく偽造が困難といった点から,身体的特徴を用いたバイオメトリクス認証が注目されている.そこで,本稿では身体的特徴として唇から得られる唇画像を利用した個人認証システムを提案する.従来の研究では,口の動きなどの行動的特徴を使用する認証が研究されているが,本研究では静止した自然状態の唇画像を用いることにより,より利便性,簡易性のある認証を提案する.また,本システムではカメラからの画像入力を行うため,非接触なセンシング方法で心理的な抵抗感が少ないという利点がある.本研究の目的としては,カメラによって撮影された唇画像が個人認証に耐えうる身体的特徴を有しているか否かを調査し,個人認証システムとして試作することによって本研究の有効性を示す.
著者
神戸 陽介 斉藤 文彦
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.748-755, 2010-09-25 (Released:2011-08-25)
参考文献数
11

教育の現場でよく用いられるドリルテキストは,繰り返しの学習により知識や技能を修得することを目的としている.しかし,ドリルテキストは,直接鉛筆で書き込んで使用する構成になっている場合が多く,繰り返し学習が困難である.本稿では,書き込み済みのドリル画像から,手書き鉛筆線のみを除去する手法を提案する.この処理をコピー機やスキャナに搭載することで,書き込み済みドリルテキストを再び使用することができるようになり,上記問題が解決すると考えられる.提案手法では,書き込み筆記具の画像特徴に着目する.鉛筆線の画像特徴を判別することで,書き込みの種類や形状によらない消去処理を行うことが可能となる.実験より,鉛筆線は99%程度の精度で除去することができた.また,印刷を誤って消去する誤消去も非常に少なかった.
著者
斉藤 文彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.216-220, 2016-11-01 (Released:2018-03-15)
参考文献数
1

National Medicinal Chemistry Symposium(NMCS)は、ACS Division of Medicinal Chemistry主催で1948年より隔年で開催されている。今回の第35回シンポジウム(NMCS2016)は、2016年6月26~29日までの4日間、イリノイ州シカゴで開催された。29の国・地域から約350名の参加があり、受賞・招待講演である口頭発表が26演題、ポスター発表が109演題であった。1日目は「DMPKに関する最近の話題」と「受賞講演」、2日目は「転写因子ターゲット」、「エピジェネティック メカニズム」と「ポスターセッション」。3日目は「神経変性疾患に対する治療の最近の進歩」、4日目は「オープンイノベーション」と「アンドラッガブルからドラッガブルへ」についての講演であった。本レポートでは口頭発表のなかからいくつかの演題について報告する。
著者
伊藤 雅典 斉藤 文彦
出版者
The Institute of Image Electronics Engineers of Japan
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.708-711, 2012

近年,パスワードや鍵を必要とせず身体的特徴を用いたバイオメトリクス認証が注目され,現在では様々な場所で用いられるようになった.特に顔認証は多くの研究がなされ,今なお必要とされている.顔認証には正面画像がよく用いられるが、情報量が多すぎる欠点がある。そこで本稿では,身体的特徴として横顔画像の輪郭線特徴に着目し,横顔画像から得られる輪郭線情報における個人認証の可能性を評価する.カメラから取得した横顔画像から輪郭線を登録し、点対の画素マッチングにより類似度を計算する。実験の結果、本人認識率約89.4%であり、横顔画像には個人識別に有効な情報が含まれていることがわかった。
著者
伊藤 聡志 斉藤 文彦 荒井 博俊 山田 芳文
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.167-175, 2013 (Released:2013-07-27)
参考文献数
16

少数の観測信号から画像復元を行う圧縮センシングを MRIの撮像に応用する場合に,三次元撮像は信号の収集軌道をランダムに選択できる次元を二次元に設定できるため,二次元撮像に比べて圧縮率を高めることが期待できる.本研究では,スパース性を導入する関数に我々が提案する三次元 FREBAS変換を使用し,これを MRI三次元撮像の圧縮センシングに応用した.再生像の品質を二次元画像と比較した結果,信号収集率を同条件とした場合に三次元撮像の方が良質な画像が再生されることを確認した.また,圧縮センシングによる三次元の画像再生は膨大な計算コストを必要とすることから,GPUを利用した再構成処理の並列化を行い,画像再生の高速化を試みた.実験の結果,256×256×64画素の画像を 53秒で行うことができ,CPU計算の 807秒に比べて大幅な高速化を達成することができた.
著者
斉藤 文彦
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.1470-1474, 1995-10-05
被引用文献数
6

一般化ハフ変換を用いた半導体ウエハ識別番号認識装置を開発した本装置は以下の特徴を持つ.<BR>(1) テンプレートテーブルのデータ量を削減するために, 文字パターンの曲線部分に着目して, データ圧縮を行う<BR>(2) マルチプロセノサシステムを用いて, テンプレートテーブルの検索と座標変換計算を並列処理することによって認識時間を短縮する.<BR>(3) 一般化ハフ変換を用いているため, 品位の不良な対象画像であっても高い認識率を得ることができ, また, 文字パターンのわずかな大きさや傾きの変化の影響を受けにくい<BR>(4) 定型フォントであれば, テンプレートテーブルの圧縮率を60%程度としても認識率への影響はほとんど見られない.<BR>(5) 実機へ適用したところ, 認識率98, 6%と認識時間16秒という実用的な結果が得られた.