著者
神田 信彦
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.1-8, 2019-03-30

本研究は私的自己意識特性と公的自己意識特性との関係を対人的自己嫌悪感と関連付けることによって検討した。133名の大学生を対象に自己意識特性尺度と自己嫌悪感を測定するための項目群からなる質問紙調査を実施した。その結果、私的自己意識特性と公的自己意識特性との間に.3台の有意な相関を、対人的自己嫌悪感は両自己意識特性と.4~.5台の有意な相関を得た。さらに対人的自己嫌悪感を統制し、私的自己意識特性と公的自己意識との返送関係数を算出したところ無相関となった。この結果について自己注目の過程の観点から考察を行った。
著者
神田 信彦
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.61-72, 2013-03-01

本研究は、「生きがい」という語が江戸時代以前にどのような意味を持つものとして使われていたのかを検討した。まず、梅棹(1980)の解釈をもとに「生きがい」の語の成り立ちを検討し、さらに古典、古文書及び古記録に表れる「生きがい(ひ)」、その前駆語と考えられる「生けるかひ」及び類語の検討を行った。その結果、「生きがい」の意味は限定されたものではなかった可能性が高いこと、「生きがい」はその類語の中の一つに過ぎなかった可能性が高いことが明らかとなった。
著者
神田 信彦
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.15-26, 2015-03-01

本稿は,1970年前後にみられた「生きがい論ブーム」について論じられてきたその歴史的経緯や要因について検討を行うと共に、「生きがい論ブーム」が始まったとされる時期に先行して生じた出来事を追うことによって、なぜ、生きがいが注目されるようになったかを推測することを行った。その結果、前者については、幾つかの事実誤認が逢ったと思われることを示し、後者については、生きがいが注目されることに影響のあった可能性のある出来事を4点指摘し、その関係性についても推測した。