著者
神谷 亨 井村 春樹 松村 拓朗 池田 宣央 土谷 美知子
出版者
洛和会ヘルスケアシステム
雑誌
洛和会病院医学雑誌 (ISSN:13411845)
巻号頁・発行日
no.32, pp.11-17, 2021-03-31

2019年12月末、中国湖北省武漢市より始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界中で多くの感染者、死者を出し、未だ収束の目処は立っていない。当院では、感染流行の第2波中に第1回目のCOVID-19院内クラスター、第3波中に第2回目の院内クラスターが発生した。第1回目の院内クラスターは、2020年8月31日に発覚し、職員2名、入院患者6名、合計8名が感染し、16日後の9月16日に感染の終息を確認した。第2回目の院内クラスターは、12月28日に発覚し、職員3名、入院患者13名、合計16名が感染し、25日後の2021年1月22日に感染が終息した。COVID-19は、感染しても症状が乏しく、症状の乏しい患者が感染力を持ち、感染力が強く、潜伏期が長く、感染対策が極めて困難な性質を有している。病院や施設でのクラスターを防ぐためにも、有効なワクチンの普及と治療薬の開発が待たれる。
著者
中島 聡志 青島 朋裕 倉信 達臣 本橋 伊織 片山 順平 上田 剛士 神谷 亨
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.5, pp.887-893, 2016-05-10 (Released:2017-05-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1

25年来の統合失調症の既往があり,入退院を繰り返している54歳男性が,常用薬の自己中断により異常行動を引き起こし,その後に昏迷・発熱を来たした.悪性症候群と悪性カタトニアの鑑別に苦慮したが,悪性カタトニアの治療的診断として少量ベンゾジアゼピンの投与を行い,症状の改善を認め,悪性カタトニアと診断した.