- 著者
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神谷 潤子
- 出版者
- 日本赤十字豊田看護大学
- 雑誌
- 日本赤十字豊田看護大学紀要 (ISSN:13499556)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, no.1, pp.189-196, 2015
インドのコルカタには、マザー・テレサが貧しい中の最も貧しい人々のために設立した多くの施設がある。それらの施設の活動は、マザー・テレサの死後も「神の愛の宣教者会」の修道女・修道士、世界各国から集まったボランティアによって維持され、今もなおスラムの人々の受け皿となっている。著者は2002 年と2011 年に、マザー・テレサの活動の原点であり、スラムの路上で瀕死の状態にある貧しい人々を温かく看取るための施設「死を待つ人の家」と、障害児を養育する「ダヤ・ダン」のそれぞれでボランティア活動を行った。本稿ではマザー・テレサの施設とコルカタの現状、そこで行われているボランティア活動を紹介する。そして、マザー・テレサの施設で行われていた「その人に関心を向ける温もりのあるケア」に患者の生命力を支える看護の原点を感じたこと、などの学びを報告する。