著者
金沢 謙一 近藤 康生 神谷 隆宏
出版者
神奈川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

中生代日本産ウニ類はすべて日本固有種からなり、大部分の属がテチス地中海地域と共通で北米との直接関係は疑わしい。白亜紀末へ向けてインド-マダガスカル地域との関連が強くなり、また日本固有の属が出現する。新生代になると始新世-漸新世イベントを経て北西太平洋温帯域に適応した属レベルで他に類を見ないウニ類フォーナが出現した。この独特のフォーナの成立には熱帯域における巻貝による捕食が深く関わっていると考えられる。中新世の温暖化と日本海の出現によってこのフォーナは縮小して一部が日本海に残存し、太平洋側には現世へと続く新たなフォーナが成立した。更新世の気候変動により日本海のフォーナは崩壊し、太平洋側のフォーナに置き換わった。