著者
油谷 大樹 神野 有生
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.22-00087, 2023 (Released:2023-08-20)
参考文献数
15

浅水底のUAV写真測量では,水面での光の屈折による水深の過小評価への対策として,推定された各点の水深に一定の係数を乗じる事後補正が行われている.しかし既往研究により,最適な係数(水深過小評価倍率)が条件により変動する問題が指摘され,その挙動の解明が課題となっている.本研究では,水深,波,水底テクスチャなどの条件を多様に設定したCGシミュレーションを行い,水深過小評価倍率が水深・波の増大とともに減少し,従来提案されていた値1.42からも大きく乖離し得ることを明らかにした.さらに,この傾向が生じるメカニズムについて検討し,水深・波の増大による投影点のエピポーラ線からの逸脱,局所的特徴の変化により,特に目標点が画像の外側に写るカメラが点群の座標推定に使われにくくなることを示して,対策を論じた.