著者
福井 久史
出版者
関西大学政策創造学部
雑誌
政策創造研究 (ISSN:18827330)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.91-125, 2021-03-25

本稿では、まず、米国では役員報酬について、どのような議論と改革が行われてきたのかを、K.J.Murphy の先行研究をもとに整理する。これにより明らかとなった、①ストックオプションの会計上の取り扱いに関わる半世紀を超える論争、また、②SEC の情報開示の拡充への取り組みについて、章を改めて概説する。そして、本稿の最後では、米国との比較から、わが国の役員報酬開示の現状に対する若干の示唆として、課題は、開示の「量」ではなく、開示の「質」にあることを示す。