著者
福井 千春
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

フランス語の最古の武勲詩『ローランの歌』は悲劇の舞台となったスペインにも伝わるが、この地では逆にローランを屠るベルナルドの伝説が形成されていく。この人物は中世を通じて親しまれ、肥大化し、とうとう国民的英雄にまでなって『ドン・キホーテ』になだれこむ。カロリング朝の伝説とアーサー王伝説が結合して、近代文学で新たな意味をおびる様を論じた。