著者
村上 宣寛 福光 隆
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.170-182, 2005-03-31
被引用文献数
1 3

研究Iでは, 担任教師が指名した攻撃性の著しい児童23名を基準群, 攻撃性の認められない児童567名を対照群とした.参加者は8つの小学校の3-6年生1701名と担任教師59名であった.問題攻撃性尺度は二群を弁別する13の質問項目から構成された.研究IIでは, 児童の攻撃性についてクラスの担任教師が5段階評定を行った.参加者は小学校3-6年生224名と担任教師8名であった.担任教師の評定の信頼性は.93であった, 問題攻撃性尺度と評定との相関は.46, 再検査信頼性は.85であった.814名のデータをIRTで分析すると, 尺度の高得点側で測定精度が高かった.研究IIIでは, 実験群でアサーション・トレーニングによる攻撃性の適正化教育を行った.参加者は, 実験群が3年生38名, 統制群が3年生35名であった.事前・事後の尺度得点の3要因分散分析の結果, アサーション・トレーニングは攻撃性の低い児童で弱い介入効果があった.