著者
村上 宣寛
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.119-128, 2017-03-15

急性高山病の主症状は頭痛か睡眠障害である。急性高山病が重篤化すると高所脳浮腫や高所肺水腫になる。急性高山病の場合は症状の進展を確認してよいが,高所脳浮腫や高所肺水腫の場合はただちに下山する。急性高山病を避けるには,標高2,500~2,800メーターへの移動に二日以上かけるとよい。急性高山病の予防・治療薬としてアセタゾラミドやデキサメタゾンがある。比較的安全な代替薬では非ステロイド系消炎剤がある。イチョウ,ビートの根,鉄サプリの効果は確認されていない。高所での激しい運動は急性高山病のリスク要因ではなく,高所での運動は,高所順応とは関係しない。極端な高所では体重の減少がさけられない。炭水化物が有利というエビデンスはなく,炭水化物60%程度のバランス・ダイエットでよい。筋肉の消耗を防ぐために,ロイシンのサプリが有利である。
著者
村上 宣寛 村上 千恵子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.29-39, 1997-10-09 (Released:2017-07-24)
被引用文献数
6 17

本研究の目的は, 主要5因子を測定する質問紙を作成することである. 予備調査では, 試作版の95項目, GoldbergのSD尺度, MINI性格検査を大学生236名に実施した. SD尺度は5因子モデルのよいマーカーであることが分かった. また, 試作版の因子分析から69項目が選択された. 本調査では, 試作版に, MINIの43項目, 新たに執筆した項目を加え, 合計300項目の質問紙を作成した. その質問紙と, GoldbergのSD尺度, MINIを大学生496名に実施した. MINIの結果から洞察力に問題がある被験者を除き, 443名を分析の対象とした. 最初に暫定版質問紙300項目とSD尺度の各次元の合計点との相関を求め, 合計150項目を選出した. グループ主軸法による分析を行い, 60変数を抽出し, 最終的に, 主因子法と因子パーシモニー基準による直交回転を行った. その後, MINI性格検査の建前尺度12項目を追加し, 並ベ換えを行った. 基準関連妥当性としてSD尺度の各次元の合計点との相関を算出すると, 0.510から0.774の範囲に分布していた. 信頼性をみるために, 主要5因子性格検査(決定版)を大学生227名に1週間間隔で2度実施した. 結果は0.853から0.953の範囲であった. 主要5因子性格検査(決定版)の妥当性, 信頼性はともにかなり高いと考えられる.
著者
村上 宣寛
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

小学生用主要5因子性格検査を全面的に改定し、1674名で全国標準化を行った。質問紙は51項目で構成された。ビッグ・ファイブは40項目で、それに問題攻撃性尺度を追加した。信頼性係数は0.68から0.81、保護者の評定と子供の自己評定の相関は0.39から0.56であった。
著者
村上 宣寛
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.183-191, 1980-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
38
被引用文献数
1 2

音象徴の研究には2つの流れがあり, 1つはSapir (1929) に始まる, 特定の母音と大きい-小さいの次元の関連性を追求する分析的なものであり, もう1つはTsuru & Fries (1933) に始まる, 未知の外国語の意味を音のみから推定させる総合的なものであった。本研究の目的は音象徴仮説の起源をプラトンのテアイテトス (201E-202C) にもとめ, 多変量解析を用いて日本語の擬音語・擬態語の音素成分を抽出し, それとSD法, 連想語法による意味の成分との関連を明らかにするもので, 上の2つの流れを統合するものであった。刺激語はTABLE1に示した65の擬音語・擬態語であり, それらの言葉から延べ300人の被験者によって, SD評定, 名詞の連想語, 動詞の連想語がもとめられた。成分の抽出には主因子法, ゼオマックス回転が用いられた。なお, 言葉×言葉の類似度行列作成にあたって, 分析Iでは言葉に含まれる音をもとにした一致度係数, 分析IIでは9つのSD尺度よりもとめた市街模型のdの線型変換したもの, 分析IIIでは6803語の名詞の反応語をもとにした一致度係数, 分析IVでは6245語の動詞の反応語をもとにした一致度係数を用いた。分析Vの目的は以上の4分析で抽出した成分の関係を調べるもので, Johnson (1967) のMax法が用いられた。分析1の結果はTABLE2に示した。成分I-1は/n/と/r/, I-2は/r/と/o/, I-3は/a/と/k/, I-4は促音, I-5は/o/, I-6は/a/, I-7は/i/, I-8は/p/, I-9は/u/, I-10は/b/, I-11は/k/, I-12は/t/に関連していた。分析IIの結果はTABLE3に示した。成分II-1はマイナスの評価, II-2, II-4はダイナミズム, II-3は疲労, に関連していた。分析IIIの結果はTABLE4に示した。成分III-1は音もしくは聴覚, III-2は歩行, III-3は水, III-4は表情, III-5は不安, III-6は液体, III-7は焦りに関連していた。分析IVの結果はTABLE5に示した。成分IV-1は活動性, IV-2は不安, IV-3は表情, IV-4は音もしくは運動, IV-5はマイナスの評価もしくは疲労, IV-6は液体, IV-7歩行, IV-8は落着きのなさに関連していた。分析Vの結果はTABLE6とFIG. 1に示した。音素成分と意味成分の関係として, I-5 (/o/) とIV-8 (落着きのなさ), I-7(/i/)とIII-7 (焦り), I-10 (/b/) とIII-6 (液体) が最も頑健なものであった。さらに, I-8 (/p/) とIII-2 (活動性), I-9 (/u/) とIII-5 (不安) 及びIII-6 (液体), I-12 (/t/) とIII-2 (歩行) 及びIV-8 (落着きのなさ) も有意な相関があった。日本語の擬音語・擬態語の限定のもとで, 音象徴の仮説が確かめられた。/o/が落着きのなさを, /i/が焦りを, /b/が液体を象徴するという発見は新しいものでありその他にも多くの関係があった。また, SD法によってもたらされた成分は狭い意味の領域しかもたらさず, 意味の多くの側面を調べるには不十分であり, 擬音語と擬態語の区別は見出されなかった。
著者
村上 宣寛
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.35-49, 2002-09-30
著者
村上 宣寛
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.35-49, 2002-09-30 (Released:2017-07-24)
被引用文献数
6

本研究の目的は語彙アプローチによる研究の準備作業として,性格表現用語を「広辞苑」から収集し,性格表現用語としての適切さ調査を行い,基本語彙のリストを研究者に提供することである.調査1は,心理学専攻の学生4名が収集ルールに基づき,950語を収集した.調査2では,別の心理学専攻生3名が950語を見直し,不適切な14語を削除し,936語を調査対象とした.一人あたり約300語を割り当て,大学生341名に「性格表現用語の理解度についての調査」を行った.性格表現用語としての抹消率の上限を20%とし,752語を収集した.調査3ではサンプリングに漏れていた辻(2001)の基本用語174語と青木(1971a)の25語を調査2と同様の方法で大学生125名に提示し,不適切な用語を抹消させた.調査1〜3の結果,名詞539語,形容詞142語,動詞103語,副詞37語,複合語113語,計934語を収集した.
著者
村上 宣寛 村上 千恵子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.29-39, 1997
被引用文献数
2 17

本研究の目的は, 主要5因子を測定する質問紙を作成することである. 予備調査では, 試作版の95項目, GoldbergのSD尺度, MINI性格検査を大学生236名に実施した. SD尺度は5因子モデルのよいマーカーであることが分かった. また, 試作版の因子分析から69項目が選択された. 本調査では, 試作版に, MINIの43項目, 新たに執筆した項目を加え, 合計300項目の質問紙を作成した. その質問紙と, GoldbergのSD尺度, MINIを大学生496名に実施した. MINIの結果から洞察力に問題がある被験者を除き, 443名を分析の対象とした. 最初に暫定版質問紙300項目とSD尺度の各次元の合計点との相関を求め, 合計150項目を選出した. グループ主軸法による分析を行い, 60変数を抽出し, 最終的に, 主因子法と因子パーシモニー基準による直交回転を行った. その後, MINI性格検査の建前尺度12項目を追加し, 並ベ換えを行った. 基準関連妥当性としてSD尺度の各次元の合計点との相関を算出すると, 0.510から0.774の範囲に分布していた. 信頼性をみるために, 主要5因子性格検査(決定版)を大学生227名に1週間間隔で2度実施した. 結果は0.853から0.953の範囲であった. 主要5因子性格検査(決定版)の妥当性, 信頼性はともにかなり高いと考えられる.
著者
村上 宣寛
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.70-85, 2003-03-27 (Released:2017-07-24)
被引用文献数
10 11

本研究の目的は,語彙アプローチによって日本語におけるビッグ・ファイブを導くことである.かつてのSD法におけるEPA構造の普遍性の問題から推測すると,ビッグ・ファイブを得るための心理測定的条件は,1.用語の熟知度や使用頻度が高いこと,2.用語の分散が大きく,評定値が中央付近に位置すること,と推測される.分析1では村上(2002)の基本的な性格表現用語から原則として抹消率13%以下の用語を収集し,同義語と反意語を整理し,554語を調査対象とした.被験者は大学生男性150名,女性220名の計370名であった.分散の高い317語を選択して対角成分にSMCを入れて30因子まで抽出した.スクリー法で因子数を5と定め,オーソマックス回転を施すと,外向性(E),協調性(A),勤勉性(C),情緒安定性(N),知性(O)のビッグ・ファイブが得られた.語彙アプローチ研究によって日本語でもビッグ・ファイブが得られることが証明された.分析2では各因子の因子負荷量の大きな20語を抽出し,100語でビッグ・ファイブ構造を再確認し,各因子ごとに主因子法とオブリミン回転を適用し,側面因子を求めた.結果は,外向性では活動性,閉鎖性,自制,協調性では妬み,怒り,身勝手,勤勉性では親切さ,ねばり強さ,従順さ,情緒安定性では活動力,楽観性,知性では小心さ,愚かさ,意志薄弱の側面因子が得られた.日本語でのビッグ・ファイブは,細部では英語圏の内容と異なっている可能性が示唆された.
著者
村上 宣寛
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.23-30, 1982-04-30 (Released:2010-07-16)
参考文献数
23

In order to find subject types in word association and their relationship to response styles and subscales of MMPI and WAIS, two factor analyses of 32 subjects were conducted: an analysis in terms of the number of responses to each stimulus (Analysis I) and that of the coefficient of similarity between subjects for associated words to all stimuli (Analysis II). In Analysis I, five subject types were found: the active type with high arithmetical ability, the quiet type with high verbal ability, the singular type with high performance intelligence, the sensitive and rational type, and the extroverted. In Analysis II, seven subject types were found: the irresolute type with low verbal and high spatial abilities, the honest type, the type with high general intelligence, the sensitive and neurotic type, the type with low spatial ability, the quiet type with high mathematical ability, and the type with poor vocabulary. The validity of Analysis II seemed to be high because friends fell under common subject types of this analysis. In response styles, the number of responded verbs positively correlated with introversion and negatively with spatial ability, and that of nouns positively with general intelligence. These findings also suggested that the defensive attitude is related only to reaction time (Analysis I), and that the neurotic tendencies are indistinguishable from psychotic ones on the basis of reaction time because both were related to the same subject factor.
著者
村上 宣寛
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.70-85, 2003
被引用文献数
11

本研究の目的は,語彙アプローチによって日本語におけるビッグ・ファイブを導くことである.かつてのSD法におけるEPA構造の普遍性の問題から推測すると,ビッグ・ファイブを得るための心理測定的条件は,1.用語の熟知度や使用頻度が高いこと,2.用語の分散が大きく,評定値が中央付近に位置すること,と推測される.分析1では村上(2002)の基本的な性格表現用語から原則として抹消率13%以下の用語を収集し,同義語と反意語を整理し,554語を調査対象とした.被験者は大学生男性150名,女性220名の計370名であった.分散の高い317語を選択して対角成分にSMCを入れて30因子まで抽出した.スクリー法で因子数を5と定め,オーソマックス回転を施すと,外向性(E),協調性(A),勤勉性(C),情緒安定性(N),知性(O)のビッグ・ファイブが得られた.語彙アプローチ研究によって日本語でもビッグ・ファイブが得られることが証明された.分析2では各因子の因子負荷量の大きな20語を抽出し,100語でビッグ・ファイブ構造を再確認し,各因子ごとに主因子法とオブリミン回転を適用し,側面因子を求めた.結果は,外向性では活動性,閉鎖性,自制,協調性では妬み,怒り,身勝手,勤勉性では親切さ,ねばり強さ,従順さ,情緒安定性では活動力,楽観性,知性では小心さ,愚かさ,意志薄弱の側面因子が得られた.日本語でのビッグ・ファイブは,細部では英語圏の内容と異なっている可能性が示唆された.
著者
村上 宣寛 福光 隆
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.170-182, 2005-03-31
被引用文献数
1 3

研究Iでは, 担任教師が指名した攻撃性の著しい児童23名を基準群, 攻撃性の認められない児童567名を対照群とした.参加者は8つの小学校の3-6年生1701名と担任教師59名であった.問題攻撃性尺度は二群を弁別する13の質問項目から構成された.研究IIでは, 児童の攻撃性についてクラスの担任教師が5段階評定を行った.参加者は小学校3-6年生224名と担任教師8名であった.担任教師の評定の信頼性は.93であった, 問題攻撃性尺度と評定との相関は.46, 再検査信頼性は.85であった.814名のデータをIRTで分析すると, 尺度の高得点側で測定精度が高かった.研究IIIでは, 実験群でアサーション・トレーニングによる攻撃性の適正化教育を行った.参加者は, 実験群が3年生38名, 統制群が3年生35名であった.事前・事後の尺度得点の3要因分散分析の結果, アサーション・トレーニングは攻撃性の低い児童で弱い介入効果があった.
著者
村上 宣寛
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.180-184, 1984

The purpose of this study was to classify Umemoto (1969)'s 210 stimulus words, based on his own norm of word association data. The principal factor analysis and geomax rotation was applied to the concordance matrix which was calculated by count-out method. The result indicated that the 210 words were classified into 11 groups; education (I), emotional evaluation (II), beauty (III), social relations (IV), motion (V), furniture (VI), family (VII), color (VIII), unusuality (IX), ego (X), and plant (XI). Umemoto's stimuli do not include sufficient number of words concerning social relations, furniture, family, and plant.
著者
村上 宣寛
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.183-191, 1980-09-30
被引用文献数
2

音象徴の研究には2つの流れがあり,1つはSapir (1929)に始まる,特定の母音と大きい-小さいの次元の関連性を追求する分析的なものであり,もう1つはTsuru & Fries (1933)に始まる,未知の外国語の意味を音のみから推定させる総合的なものであった。本研究の目的は音象徴仮説の起源をプラトンのテアイテトス(201E-202C)にもとめ,多変量解析を用いて日本語の擬音語・擬態語の音素成分を抽出し,それとSD法,連想語法による意味の成分との関連を明らかにするもので,上の2つの流れを統合するものであった。 刺激語はTABLE 1に示した65の擬音語・擬態語であり,それらの言葉から延べ300人の被験者によって,SD評定,名詞の連想語,動詞の連想語がもとめられた。成分の抽出には主因子法,ゼオマックス回転が用いられた。なお,言葉×言葉の類似度行列作成にあたって,分析Iでは言葉に含まれる音をもとにした一致度係数,分析IIでは9つのSD尺度よりもとめた市街模型のdの線型変換したもの,分析IIIでは6803語の名詞の反応語をもとにした一致度係数,分析IVでは6245語の動詞の反応語をもとにした一致度係数を用いた。分析Vの目的は以上の4分析で抽出した成分の関係を調べるもので,Johnson (1967)のMax法が用いられた。 分析Iの結果はTABLE 2に示した。成分I-1は/n/と/r/,I-2は/r/と/o/,I-3は/a/と/k/,I-4は促音,I-5は/o/,I-6は/a/,I-7は/i/,I-8は/p/,I-9は/u/,I-10は/b/,I-11は/k/,I-12は/t/に関連していた。分析IIの結果はTABLE 3に示した。成分II-1はマイナスの評価,II-2,II-4はダイナミズム,II-3は疲労,に関連していた。分析IIIの結果はTABLE 4に示した。成分III-1は音もしくは聴覚,III-2は歩行,III-3は水,III-4は表情,III-5は不安,III-6は液体,III-7は焦りに関連していた。分析IVの結果はTABLE 5に示した。成分IV-1は活動性,IV-2は不安,IV-3は表情,IV-4は音もしくは運動,IV-5はマイナスの評価もしくは疲労,IV-6は液体,IV-7は歩行,IV-8は落着きのなさに関連していた。分析Vの結果はTABLE 6とFIG. 1に示した。音素成分と意味成分の関係として,I-5 (/o/)とIV-8(落着きのなさ),I-7 (/i/)とIII-7(焦り),I-10 (/b/)とIII-6(液体)が最も頑健なものであった。さらに,I-8 (/p/)とII-2(活動性),I-9 (/u/)とIII-5(不安)及びIII-6(液体),I-12 (/t/)とIII-2(歩行)及びIV-8(落着きのなさ)も有意な相関があった。 日本語の擬音語・擬態語の限定のもとで,音象徴の仮説が確かめられた。/o/が落着きのなさを,/i/が焦りを,/b/が液体を象徴するという発見は新しいものでありその他にも多くの関係があった。また,SD法によってもたらされた成分は狭い意味の領域しかもたらさず,意味の多くの側面を調べるには不十分であり,擬音語と擬態語の区別は見出されなかった。