著者
森川嘉一郎 山田俊幸 岩城進之介 伊豫田旭彦 福地健太郎
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.30, pp.1-1, 2013-03-06

書籍や絵画、彫刻は図書館や美術館などに収蔵・展示され、その内容を後世に伝えるための様々な努力が続けられています。しかし、こと 「体験」 の保存となると、非常に難しい問題が沢山残っています。特にインタラクションはその性質上、ハードウェアが密接に関わってくるため、動態保存の問題はコンテンツやソフトウェアとは事情が異なっており、ビデオゲームやインタラクティブアート、大型アトラクションなどの体験を後世に伝える上で大きな障害があります。加えて、「作ってみた」 系の作品や動画サイトにおけるコメントなどは保存への取り組みもほとんど手がつけられていません。このことは、今後こうした分野を対象とした調査研究を一層困難にします。そうした動きの中で、草の根による保存の努力も注目されており、例えば 「作ってみた」 と DIY 的にレプリカを作り出す例や、有志による保存の例も増えてきています。今回のヒューマンコンピュータインタラクション研究会の特別セッションでは、こうした動態保存の問題に取り組んでいる人々をお招きして、「インタラクションの継承」 という問題に切り込んでいきます。
著者
中嶋慶輔 福地健太郎
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013-HCI-152, no.8, pp.1-7, 2013-03-06

スポーツの中継映像は,実際の現場での視界のごく一部しか視聴の対象になっていない.人間の視覚特性では周辺視野部では特に動きの知覚に優れているため,中継映像では速度感覚への刺激が実際に比べて低下していると考えられる.我々は今回,画面周辺部に動き提示のみを目的とした LED アレイを設置し,画面内の動きにあわせて LED を点灯させることで,速度感を増強するシステムを提案する.評価実験ではこの LED 表示により,被験者の速度感覚に影響を及ぼすことができることが確認できた.本手法は視界が制約させるコックピットや遠隔操作システムやなどにも応用することで制御精度の向上も期待できる.
著者
松隈詩織 福地健太郎 城一裕
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.14, pp.1-7, 2013-03-06

飾り巻き寿司とはその断面に意匠を凝らしたもので,海苔の上に寿司飯や具材を適切に配置した後に巻いて調理する.独自の意匠の巻き寿司を作成しようとするとき,巻きあがりの形から具材の適切な配置を考えるのは簡単ではない.また,配置図面があったとしてもその通りに具材を正確に置くことは調理の作業過程においては簡単ではない場合も多い.そこで,ユーザが断面の意匠をコンピュータ上でデザインすると,そのデザインに応じた具材の配置図を計算し,その配置図を海苔にレーザーを用いて直接印刷する手法を提案する.今回はデザインの自由度を強く制約した試作システムを構築し,実際に巻き寿司を作成してその有効性を検証した.