著者
池田 公史 澁木 太郎 平 知尚 井上 佳苗 山口 将太 福士 耕
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.540-549, 2023-11-01 (Released:2023-11-10)
参考文献数
26

肝細胞癌の薬物療法はソラフェニブ,レンバチニブなどの分子標的治療薬に代わり,アテゾリズマブ+ベバシズマブやデュルバルマブ+トレメリムマブといった免疫療法が主流となった.免疫療法が有効でない場合や免疫療法の適応がない場合に分子標的治療が選択される.年齢,Performance status,肝予備能,治療効果,有害事象などを考慮の上,治療法の選択が必要である.現在,Early stageでは根治治療の周術期治療,Intermediate stageでは肝動脈化学塞栓療法との併用療法,Advanced stageの一次治療,二次治療では新たな薬剤や併用療法などの開発が行われており,どのStageでも薬物療法が行われるようになった.これまで局所療法が主体だった肝細胞癌の治療も,薬物療法の併用療法が積極的に試みられるようになり,新たな治療開発は,薬物療法が中心となって行われている.