著者
福士 航
出版者
北見工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、英国王政復古期の作家アフラ・ベインの演劇・散文作品に見られる<他者>表象を、ジェンダー・党派政治イデオロギーの側面のみならず、人種・階級・振る舞いのコードなどの側面からも分析し、その結果、演劇的表象が<他者>のステレオタイプへの固定化に向かうことを明らかにする一方で、散文における<他者>表象は複層化することを確認した。
著者
福士 航
出版者
北見工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、長い18世紀(1660-1800年)の英国の舞台において、なぜ女優だけが人種的差異を示す<黒塗り>をしなかったのかについて、おもに演劇の慣習や美学的意識に関する側面と、ジェンダーや人種に関する言説との関わりから検討した。その結果、劇場での利益を追求するために人種的<他者>のイメージが操作されたことが明らかになり、商業主義と人種差別的言説の生成の一端を、当時の劇場が担ってもいたことを明らかにした。