著者
平山 博史 竹内 徳男 福山 祐三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.93, no.478, pp.9-16, 1994-02-18

菅らが提唱した心臓可変弾性体モデルの妥当性を立証するため、心臓血管系の数学的電気的等価回路を用いて大動脈および末梢血管血流を再現した。収縮要素としてのE(t)は可変コンプライアンスとしてあらわし動脈系は慣性、コンプライアンス、抵抗で構成された。再現された大動脈波形は生理的であったが、末梢血管血流は対称であった。最大血流量は動脈血流抵抗、心筋内抵抗、特性抵抗とともに減した。また大動脈最大血流量は大動脈コンプライアンスとともに増大したが末梢血管血流は大動脈コンプライアンスとともに減少した。可変弾性体モデルは循環器系の血行動態を統合的に表現できる優れた概念である。