著者
福島 由依
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2019-04-25

本研究は、大学学部入学段階での競争的筆記試験を重視する「受験主義」という観点から、日本の教育選抜の特徴とその現代的変容を捉えることを目的とする。具体的には、1)「入試ミス」に関する報道記事の分析から、客観的で公平ゆえに「正統」とされる選抜が崩れる場面の言説に着目し、社会がもつ正統な選抜への期待や信頼を検討する。次に、2)「学歴ロンダリング」とよばれる就学行動に着目し、日本では「非正統」と捉えられる就学行動に対する社会的な評価を、日本にくらべ大学間での転学が一般的であるアメリカを参照しながら検討することで、日本の受験主義の特殊性を議論する。