著者
福島 英沖
出版者
特定非営利活動法人 日本電磁波エネルギー応用学会
雑誌
日本電磁波エネルギー応用学会機関誌
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.13-15, 2021

スイスの国際経営開発研究所(IMD)による2019年の世界競争力ランキングでは、日本の総合順位は30位で97年以降最低となり、63カ国・地域を対象にしたデジタル競争力ランキング2020においても日本は前年より順位を下げて27位へ後退した(図1)。2019年の日本の労働生産性は世界第34位で、給与水準も低く、OECD加盟国の年収ランキングでは、日本の年収は35か国中19位で平均以下となっている。また、日本の研究は質・量ともに衰退の一途を辿りつつあり、上位10%の論文数は順位を大きく下げ、人口当たりの論文数は主要先進16カ国の中で日本は最下位となっている。くしくも新型コロナウイルスの拡大により、多様な分野でデジタル化への課題が浮き彫りとなった。日本のデジタル化は世界と比較して10年遅れと言われており、AI人材、データサイエンティストなど、デジタル人材の育成が必要である。
著者
福島 英沖
出版者
特定非営利活動法人 日本電磁波エネルギー応用学会
雑誌
日本電磁波エネルギー応用学会機関誌 (ISSN:24341495)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.13-16, 2015 (Released:2019-07-11)

マイクロ波加熱の課題として、ISM (Industry-Science-Medical)バンドの法規制があり、現状我が国では900MHz 帯は電波法で認可されていない。この周波数帯は浸透深さが大きいため均一加熱に有利であり、エネルギー効率(装置の変換効率)が高く低コストで加工でき、大規模化するには今後必須の周波数となる。北米では915MHz 帯が以前から認められており、大規模なマイクロ波加熱プロセスが行われている。我が国は 900MHz 帯の工業利用が遅れており、海外との競争力を備えるには米国、欧州にあわせ、グローバルスタンダードにする必要がある。産学界で連携して、産業科学医療用として 915MHz帯が ISM バンドとして認められる(もしくは規制緩和される)よう、国に働きかけていく必要がある。日本電磁波エネルギー応用学会 JEMEA では、2011 年から 900MHz 帯 ISMバンド調査 WG を作り、調査活動を行ってきた。本報では900MHz 帯域のマイクロ波加熱の利用可能性と課題について、現在までの WG 活動内容を報告する。