著者
山本 晴彦 渡邉 祐香 兼光 直樹 松岡 光美 福永 祐太 坂本 京子 岩谷 潔
出版者
日本時間学会
雑誌
時間学研究 (ISSN:18820093)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.35-56, 2020 (Released:2021-06-14)

2019年台風19号の通過時に、長野県の千曲川上流に位置する佐久地方の上石堂では、10月12日の日降水量が553mmを記録するなど、上流で記録的な豪雨に見舞われた。千曲川中流の千曲市に位置する杭瀬下水位観測所では12日の21時50分に氾濫危険水位の5mを大きく超える6.40mの水位を観測した。増水した千曲川から新田霞堤の開口部に洪水流が流れ込み、先端部を超えて堤内地の新田・杭瀬下地区に洪水流が流入した。この洪水により千曲市では1,677世帯に浸水被害が発生しており、霞堤の開口部閉鎖についての検討が進められている。浸水した地区は住居誘導地区や都市機能誘導地区に指定されており、浸水被害の軽減対策が求められている。
著者
山本 晴彦 渡邉 祐香 兼光 直樹 松岡 光美 福永 祐太 坂本 京子 岩谷 潔
出版者
日本時間学会
雑誌
時間学研究 (ISSN:18820093)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.79-105, 2020 (Released:2021-06-14)

2019年台風19号の通過時に、栃木県の日光から福島県の白河の延びる那須連山、茨城県北部から福島県浜通り地方と宮城県南部の阿武隈高原では、降水量が300mmを超える記録的な豪雨に見舞われた。両山系から阿武隈川に流入した降雨により、中流の須賀川、郡山、本宮、福島、下流の丸森町等では既往の水位を超える洪水災害が発生した。郡山市では阿武隈川からの越水、支流の谷田川の破堤や逢瀬川の越水等により、死者6名、建物被害は1万1千件に上り、1986年の「8.5水害」を超える水害となった。特に、阿武隈川と谷田川に挟まれた水門町、十貫河原、中央工業団地等では事業所や工場等で最高4m近くまで浸水し、現在も復旧が進んでいないケースも見受けられた。