- 著者
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坪田 敏男
金川 弘司
高橋 健一
安江 健
福永 重治
- 出版者
- 日本繁殖生物学会
- 雑誌
- 家畜繁殖学雑誌 (ISSN:03859932)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.4, pp.203-210, 1985-12-25 (Released:2008-05-15)
- 参考文献数
- 6
- 被引用文献数
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15
1982年と1983年の2年間にわたって,多頭集団飼育されているエゾヒグマの性行動を観察した。個体識別した雄と雌グマ各20頭においては,特定のクマ同志で交尾をするということはなく,無差別に交尾を行っていた。交尾様式は,乗駕開始(Mounting),腰部の突き(Pelvic thrusting),後肢の痙攣様運動(Quivering),および乗駕終了(Dismounting)の順で行われ,その一連の行動に要する時間は平均23分であった。このうちの後肢の痙攣様運動は射精に伴う運動と推測された。乗駕は,1日の中では朝7時頃と夕方19時頃に多かった。また,繁殖期の中でも6月上旬にそのピークがみられた。雌グマは発情すると雄グマの乗駕を許容するようになり,その継続期間はかなり長くなる傾向を示したが,個体差も大きかった。雄グマは10歳以上になると年齢が進むにしたがいしだいに乗駕回数が減少するのに対して,雌グマは年齢によって雄グマに乗駕される回数に変化はなかった。