著者
石原 孟 ユン ジェソン 福王 翔
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.281-286, 2012
被引用文献数
1

本研究では物理モデルに基づいた風車のモニタリング手法(PCM)を提案し,400kWストール制御風車の観測データを用いて検証を行い,以下の結論を得た.まず発電機支承を組み込み,また低速・高速シャフトの剛性を考慮することにより風車ナセルのモデルを改良し,SCADAデータを用いてこの構造部材の剛性を同定した.改良モデルを用いることによりローター及びタワーの振動モードについての解析精度を向上させるとともに,低速シャフト,高速シャフトおよび発電機支承に起因する振動モードの同定に成功した.次に風車ナセル内の可動部を記述するための等価モデルを提案し,動吸振器の理論を利用してその質量,剛性,減衰を同定することにより.風車の回転軸に平行するX方向の減衰の同定に成功した.可動部の等価モデルを用いることにより, X方向における風車タワー1次モードのピーク値が観測値とよく一致した.<br><br>