著者
難波 章人 福田 隆眞
出版者
山口大学
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13468294)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.93-107, 2005-09-30

[はじめに] : スペインは美術の歴史が深く、世紀の天才を生み出し続ける国として有名である。17世紀には宮廷画家のベラスケス、18世紀にはゴヤ、19世紀にはバルセロナのサグラダ・フャミリアを設計したアントニオ・ガウディー、20世紀にはシュールレアリスムのダリやミロ、様々な美術運動を起こしたピカソ、巨大な鉄彫刻をつくりだしたチリーダ、現在も精力的な活動を続け、レアリスム絵画で知られるアントニオ・ロペスなどがいる。 筆者難波は、2003年度にバレンシア工科大学・美術学部・2004年度にマドリッドのコンプルテンセ大学・美術学部にて彫刻を学んだ。そこで、スペインの大学で経験した彫刻教育について、コンプルテンセ大学のカリキュラムを中心に考察し、どのような教授方が行われているのかを検証する。検証の仕方として、コンプルテンセ大学・美術学部・彫刻科で開講している13の授業のカリキュラムを紹介し,実際の受講経験を基に,内容と教授法の利点と特徴を述べる。