著者
稲垣 明子
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

膵島移植において安定して質の高い膵島を得る方法を確立することは移植成績の向上に直結する重要な課題のひとつである。そこで、本研究では保存過程の虚血状態や、膵島分離工程での溶存酸素濃度の低下による膵島損傷を解決するために、膵臓摘出直後から膵島分離終了までの間の酸素供給システムを確立することを目的とした。膵組織の保存の酸素化についてはは人工ヘモグロビンを膵管から導入したが、分離膵島の収量や質の向上は確認出来なかった。いっぽう、膵島分離工程における中空糸加圧モジュールを用いて閉鎖分離回路内を酸素化することで、膵島の収量、energy statusが向上し、アポトーシスを回避出来ることが明らかになった。