著者
新堀 有佳 安川 生太 荒木 聡子 鈴木 梢 水野 智仁 高橋 紘子 古殿 孝高 稲川 利光 渋谷 祐子
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.599-606, 2014 (Released:2014-10-28)
参考文献数
17
被引用文献数
4

透析患者が高齢化し透析期間が長期化する中で, 透析患者の日常生活動作の維持は重要な課題である. 今回われわれは, 維持透析患者に対しセルフエクササイズ形式のresistance exerciseによる透析中の運動療法を考案し, その効果を検討した. 透析中の血行動態が安定している当院外来透析患者を対象に運動療法を施行し, そのうち運動療法開始後6か月経過した9例を対象に解析を行った. 右大胸筋筋力・右大腿四頭筋筋力ともに有意差をもって増強を認め, また運動機能評価では速歩でのTimed “Up and Go” test (TUG), 普通歩行速度・最大歩行速度・30秒立ち座り・5回立ち座りで有意差をもって改善を認めた. 筋力増強や運動機能評価の改善を認め, 当院で施行した運動プログラムは有用であると考えられた.