著者
宇丹 裕一朗 稲木 雅人 永山 忍 若林 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.450, pp.115-120, 2012-02-28
参考文献数
7

バイオインフォマティクスやデータベース検索で使用されている近似文字列マッチングにおいて,より高度なマッチングを行うため,正規表現を扱うシストリックアルゴリズムとそのFPGA実装法が提案されている.しかし,このFPGA実装では,DNAの配列検索などに必要な長いパターンを扱うことができない.そこで本研究では,スケーラブルな処理が可能なGPU上での近似正規表現マッチングの高速解法を提案する.また,FPGA実装と比較することで近似正規表現マッチングをGPU上で実装することの有用性を検証する.実験の結果,CPUと比較してFPGA実装が8.3倍,GPU実装が2.9倍高速に実行できることが分かった.特に,パターン長が3200以上の場合,CPUと比較してGPU実装では18倍以上の高速化ができた.また,FPGA実装ではパターンの文字数がFPGAの規模に制限されるのに対し,GPU実装ではFPGA実装よりも長いパターンを容易に扱えることを確認した.