著者
稲田 健吾
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

動物は本能的に攻撃性を持つ。しかし攻撃行動は多くのエネルギーを消費し、自身が傷つく可能性や社会的制裁を受けるリスクを負うことにもなる。そのため動物は不要な攻撃衝動を抑制する機構も併せ持つと考えられている。近年光遺伝学に代表される、高い時間・空間分解能で神経活動を人為的に操作する手法が登場したことで、オスマウスをモデルに攻撃行動を促進する視床下部領域の細胞構成について理解が進んだ。しかし攻撃性を抑制する神経回路メカニズムについてはほとんど解明されていない。本研究では内分泌ホルモンであるオキシトシンが、攻撃行動の制御中枢を抑制することで攻撃衝動を抑止しているのではないかと仮説を立て検証を行う。