著者
柿田 文和 稲石 亨
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2011年度秋季
巻号頁・発行日
pp.253-258, 2011-09-15 (Released:2017-06-08)

2001年,17人の軽量開発手法の指導的実践者が「アジャイルソフトウェア開発マニフェスト(以下,アジャイル・マニフェスト)」を宣言して以来,「アジャイル」は世界規模で開発の主流となりつつある.日本においても2007年以降アジャイルに関するコミュニティやワークショップが多数設立,開催され,アジャイルはもはや異端の開発方法論とは言えない状況である.しかし,アジャイルソフトウェア開発とは一体何であろうか.アジャイルという用語の意味する範囲は曖昧模糊として捕らえどころがないように見える.そこで本論文では,最初にアジャイルの原典であるアジャイル・マニフェストとアジャイルの12原則から分析をはじめ,次いでアジャイル手法とプラクティスの価値を考察する.そして最後に「持続可能なペース」と「自己組織化」というキーワードを手がかりに,漠然と受け取られがちなアジャイル開発の総体を描き出し,その特徴と真の価値の提示を試みる.