著者
竹久 友二
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2011年度秋季
巻号頁・発行日
pp.76-80, 2011-09-15 (Released:2017-06-08)

技術革新や社会・経済状況の激変する現代において,「伝統的なプロジェクト管理手法は,実際のプロジェクトを上手に管理するためには限界がある」という議論が行われている.これらの議論の中心は,変化や複雑性をそのまま認識してプロジェクトを扱う複雑性のマネジメントである.そして,複雑性としては,プロジェクトを構成する要素の数やその関係の複雑さだけでなく,プロジェクト目標や成功への筋道などプロジェクトの方向性がメンバに共有されない状態など,より人間系に関わる要因が含まれている.そのため,プロジェクトを成功させるためには,従来のような管理的な方法(計画・命令・把握・コントロール)ではなく,プロジェクトメンバーにプロジェクトの道筋を示し,メンバのやる気を引き出すPMのリーダシップが重要であると考えられている.本稿は,これらの議論をPMコンピテンシーの観点から考察し今後のPM育成のヒントを探る.
著者
柿田 文和 稲石 亨
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2011年度秋季
巻号頁・発行日
pp.253-258, 2011-09-15 (Released:2017-06-08)

2001年,17人の軽量開発手法の指導的実践者が「アジャイルソフトウェア開発マニフェスト(以下,アジャイル・マニフェスト)」を宣言して以来,「アジャイル」は世界規模で開発の主流となりつつある.日本においても2007年以降アジャイルに関するコミュニティやワークショップが多数設立,開催され,アジャイルはもはや異端の開発方法論とは言えない状況である.しかし,アジャイルソフトウェア開発とは一体何であろうか.アジャイルという用語の意味する範囲は曖昧模糊として捕らえどころがないように見える.そこで本論文では,最初にアジャイルの原典であるアジャイル・マニフェストとアジャイルの12原則から分析をはじめ,次いでアジャイル手法とプラクティスの価値を考察する.そして最後に「持続可能なペース」と「自己組織化」というキーワードを手がかりに,漠然と受け取られがちなアジャイル開発の総体を描き出し,その特徴と真の価値の提示を試みる.