著者
阿部 貴行 稲葉 由之 岩崎 学
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.79-94, 2007-02-28 (Released:2017-05-01)
参考文献数
22

多くの分野(例えば,標本調査,医学研究,工業実験等)において,研究者はっ様々な理由により不完全データに直面することが多い.したがって,研究者は,研究の計画段階から不完全データの対処法を検討する必要がある.このようなニーズに応える形で,近年,不完全データの統計解析ソフトウェアが増えている.本論文では,不完全データの統計解析を提供する6種類のソフトウェアの機能や特徴の比較検討を行い,使用目的に応じたソフトウェア選択に対する提案を行う.不完全データの統計解析手法として,主にEMアルゴリズム(Dempster et al., 1977)及びMultiple Imputation法(Rubin, 1987)に焦点を当てる.最後ら擬似乱数データを用いて各ソフトウェアの出力結果の比較検討を行い,統計手法間の結果の違いについても考察を行う.