著者
木ノ内 勝士 森田 紀代造 橋本 和弘 野村 耕司 宇野 吉雅 松村 洋高 中村 賢 阿部 貴行 香川 洋 佐久間 亨
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.328-332, 2006-11-15 (Released:2009-08-21)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

総肺静脈還流異常症(TAPVR)修復術術後の肺静脈狭窄(PVO)は重篤な合併症であり,術後の再燃も希ではない.今回われわれは,TAPVR1a+2a混合型術後PVOをくり返した14ヵ月,男児に対してsutureless in situ pericardial repair,および,左心耳-左肺静脈吻合を施行した.術後経過は良好であり,術後2年9ヵ月時に施行した心臓カテーテル検査では,右肺静脈に有意な再狭窄所見は認めず,左肺静脈に軽度再狭窄所見を認めた.また,術後3年1ヵ月時に施行したmultidetector computed tomography (MDCT)による3次元再構築像では,良好なPVO解除が長期に得られていることが示された.
著者
阿部 貴行 稲葉 由之 岩崎 学
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.79-94, 2007-02-28 (Released:2017-05-01)
参考文献数
22

多くの分野(例えば,標本調査,医学研究,工業実験等)において,研究者はっ様々な理由により不完全データに直面することが多い.したがって,研究者は,研究の計画段階から不完全データの対処法を検討する必要がある.このようなニーズに応える形で,近年,不完全データの統計解析ソフトウェアが増えている.本論文では,不完全データの統計解析を提供する6種類のソフトウェアの機能や特徴の比較検討を行い,使用目的に応じたソフトウェア選択に対する提案を行う.不完全データの統計解析手法として,主にEMアルゴリズム(Dempster et al., 1977)及びMultiple Imputation法(Rubin, 1987)に焦点を当てる.最後ら擬似乱数データを用いて各ソフトウェアの出力結果の比較検討を行い,統計手法間の結果の違いについても考察を行う.
著者
岩崎 学 阿部 貴行
出版者
Japanese Society of Applied Statistics
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.49-60, 2006-07-30 (Released:2009-06-12)
参考文献数
8

打ち切りとトランケーションは,共に不完全データをもならす要因として,実際のデータ解析で遭遇することが多い.本論では,観測値xがある値c以下でのみ値が観測される場合について,切断点cを変化させることによる推定値への影響を考察する。cがパラメータの推定値に及ぼす影響を,尤度方程式から導かれる陰関数を用いて評価する.特に,応用上重要な指数分布および正規分布について,数値例を交えて詳しく議論する.陰関数の吟味により,打ち切りとトランケーションでは切断点cの影響が逆向きであること,およびトランケーションの場合にはcの影響が観測データ数に依存しないことを示す.