- 著者
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江口 麻優子
野坂 俊介
植松 悟子
藤野 明浩
金森 豊
岡本 礼子
窪田 満
石黒 精
- 出版者
- 日本小児放射線学会
- 雑誌
- 日本小児放射線学会雑誌 (ISSN:09188487)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, no.2, pp.107-115, 2019 (Released:2019-11-22)
- 参考文献数
- 18
小児の盲腸捻転は稀であるが,重症心身障害児,特にCornelia de Lange症候群(以下CdLS)での報告が多い.症状は非特異的で,画像診断の役割は大きい.早期診断は腸管壊死を回避する上で重要で,診断や治療の遅れは死亡に繋がる可能性がある.当院で経過観察中のCdLS 13例中4例に盲腸捻転を認めた.いずれも盲腸捻転に特異的な腹部単純撮影所見,もしくは過去と比較して変化を認め,引き続き行った造影CT所見から全例で術前に盲腸捻転を疑うことができた.盲腸捻転併発4例と捻転非併発9例を比較すると,併発例全例が胃瘻造設術・噴門形成術後で,これらの手術が捻転の誘因になると考えられた.また,既報告と比較して死亡率と術後合併症率は,より低率であった.CdLSで,胃瘻造設術・噴門形成術後の児が腹部症状を示す場合,盲腸捻転の併発を念頭に,腹部単純撮影に続く造影CTが早期診断と治療に有用である.