- 著者
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八木田 旭邦
立川 勲
- 出版者
- Japan Surgical Association
- 雑誌
- 日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.4, pp.446-450, 1987-04-25 (Released:2009-02-10)
- 参考文献数
- 20
Behçet病は,病因不明の難治性の疾患である. Behçet病の副症状の1つである腸型Behçetは,神経型あるいは血管型と同様にBehçet病の死因の大部分を占めている. 今回, Behçet病33例のHuman leukocyte Antigen (HLA)の特異性を検討し,更に,腸型Behçet 19例と腸炎を合併しない非腸型Behçet 14例とのHLAの相異を検討した.また,潰瘍性大腸炎170例およびクローン病47例のInflammatory bowel diseaseのHLAと腸型Behçetのそれと比較した. Behçet病ではA31, B51, DR4と有意の相関が見出された.腸炎の有無による検討で,腸型Behçetは非腸型Behçetに比べA31, DRw8, DRw52が有意に低下していたが, DR4とB51は両者で健常者310例に比較して有意に高率であった.腸型BehçetのHLAはB51とDR4に相関し,潰瘍性大腸炎はA24, Bw52, DR2, DQw1と相関し,クローン病は, A31, Bw61, DR4, DRw53, DQw3と相関し,それぞれの特異性が見出された.