著者
野添 匡史 間瀬 教史 杉浦 みどり 岡前 暁生 山本 健太 立栄 智恵 眞渕 敏 傳 秋光
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.254-259, 2007-10-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
24
被引用文献数
11

本研究の目的は,体幹前傾姿勢が肺気量位と呼吸運動に与える影響を調べることである。健常人20名を対象として,体幹前傾角度0°位(安静立位),30°位,60°位,90°位での肺気量位,胸腹部呼吸運動を測定し,体幹前傾角度の違いと各指標の変化について検討した。終末吸気肺気量位,終末呼気肺気量位は体幹前傾角度の増加に従い有意に増加したが,60°位,90°位の問では有意な差は認められなかった。終末吸気,終末呼気の胸部周囲径は体幹前傾角度の増加に従い有意に増加した。以上の結果より,体幹前傾姿勢では胸郭に対する重力の作用方向が変化し,胸郭が拡張位となることで高肺気量位での呼吸様式になると考えられた。