著者
童 適平
出版者
The Japan Society of International Economics
雑誌
国際経済 (ISSN:03873943)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.67-87, 2014

人口ボーナス,政府の強力なリーダシップと金融システムのサポートという,これまで中国経済成長を支えてきた要因は消えつつある。特に低金利と預貸金利利ザヤによって守られている金融システムは対外均衡優先経済政策を可能にし,漸進的な中国改革を護送してきた基本条件であるが,金利政策失効の副作用を持ち,ディスインターミディエションに脅かされ,対外均衡優先経済政策の修正も余儀なくされ,安定重視から効率重視への改革は必要になる。