著者
岩田 昭治 竹内 一二
出版者
一般社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械学会論文集
巻号頁・発行日
vol.20, no.9, pp.T233-T237, 1967

目的 ナイロンタイヤコードの高速撚糸において, 生産性の向上をはかり, あわせて今後のヘビーデニール化の傾向にそなえるため, 現在の操業回転速度 (デリベリースピード) を上昇させ, ラージパッケージ化することの可能性と, これに伴う諸問題を検討する. 結果 (1) 実用スピンドル回転速度は, 少なくとも下撚140mmφ リング×203mmリフトで7000rpm, 上撚177 mmφ リング×254mmリフトで5500rpmが可能である. (2) 糸の強力, 伸度への影響はない. (3) 巻量は現在の約2倍を確保することができる. (4) 撚糸張力の平均値と変動およびトラベラーの摩耗には問題点はない. (5) 電力消費は相当の増加が見込まれ, とくに高速域において考慮する必要がある. (6) スピードの増加とともに耐摩性の特殊材質を加えたHナイロントラベラーのすぐれた効果が認められた・