著者
野見山 敬一 増満 州市郎 竹原 誠 深江 義忠
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
家畜の管理 (ISSN:03888207)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.37-42, 1981-10-01
被引用文献数
4

福岡県下1184農家を対照に防暑法の実態を調査した。調査はアンケート用紙を配布回収した。回収率は58.0%(686農家)で次の結果を得た。1)農家の平均飼養頭数は26.9頭, 畜舎面積は平均255m^2(1頭当たり9.5m^2)であった。2)農家が実施している防暑対策は扇風機55.0%が最も多く, 夜間運動又は繋牧21.9%, 壁換気扇(ウインドファン)11.8%が続きこの3種で88.7%を占めた。ダクト冷気送風, 牛舎冷房(エァコン)は3.6%(25農家)であった。3)暑熱時の飼料給与について, 農家が特に留意している点は良質飼料の給与, ミネラル食塩の給与, サイレージ給与等栄養面を配慮した農家が多く(83.4%), 飼料調理, 給与方法, 給与時間帯の配慮には関心が低かった。4)防暑対策を行なって, 特に効果があったものとして, 乳量減少の防止, 分娩事故, 疾病の防止をあげた農家が多かった。5)今後の防暑法に, とり入れたいものとして, 庇陰樹の植栽をあげた農家が約21.6%(148農家)で1番多かった。