著者
竹本 昌史
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.97-100, 2020-01-15 (Released:2020-02-19)

情報化社会の到来により,コンプライアンス運営が非常に重要な時代になっている.これまで閉鎖的であった医療機関もその例外ではない.医療機関におけるコンプライアンス対応としてリスクに対する予防や事後対応システムの強化が強く求められている.医療機関は,医療の専門職種の集まりであり,その性質や制度上コンプライアンス対応に関して統制が困難な面がある.そこで,法律の専門家である弁護士を登用し,予防や事後対応システムとして機能させることが考えられる.医療機関内に弁護士をシステムとして置くことで,法律や裁判例を意識した対応が浸透され,医療機関の内部からコンプライアンス運営が支えられることを期待する.