著者
竹林 尚恵 谷口 としえ 端 千づる
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.315-321, 2020 (Released:2020-06-01)
参考文献数
11

咀嚼・嚥下が困難な入院患者、老人福祉施設・介護保険施設療養者に対応した食種名と形態の実態について調査するため、福井県内の病院114カ所、老人福祉施設・介護保険施設181カ所の管理栄養士を対象に、質問紙票による調査を実施した。質問紙票では提供可能な主食の形態と名称、咀嚼・嚥下困難な患者・療養者に対応した食種(副食)の名称と形態を尋ねた。形態については食事形態スケールとしてIスケールを用い、その中からの選択とした。回答が得られた159カ所のうち、咀嚼・嚥下に対応した食事が必要な対象者がいないと回答した施設を除いた148カ所を解析対象とした。病院・施設での咀嚼・嚥下困難な患者・療養者に対応した食事は、主食、副食共にさまざまな名称が使用されていた。特に副食については、名称が主食に比べて多様であった。そのため、同一の名称が異なる形態を表している場合があること、病院と施設間で使用している名称のずれが大きいことが明らかとなった。