著者
竹田 一郎
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1974, no.2, pp.280-287, 1974

電気回路を簡略化したガスクロマトグラフ用簡易型エレクトロニック ディジタル インテグレーター試作を行ない,その精度,使いやすさなどにつき検討を加えた。<BR>ガスクロマトグラフよりの信号電圧は,μA-741型演算増幅器で100倍に反転増幅されたのち,μA-709型演算増幅 器,およびユニジャンクシ ントランジスターによる電圧-周波数変換回路により,入力電圧に比例したパルス列に変換される。そのパルス列は集積回路による計数回路で計数後,ニキシー管で表示される。<BR>また,入力信号電圧の微分値が一定の水準を越えたとき,ピークが溶出したとみなす自動ピーク検出回路に連動して,直前のピーク計数値の記憶表示,および計数部の帰塁を行ない,測定が容易に行なえるよう配慮した。本積分器は,市販品のほぼ1/20の費用で製作でき,実際のガスクロマトグラフ測定では,測定者が計数値を記録しなければならない不便もあるが,かなりの高精度で測定可能であった。また,本積分器の機能を向上した中級型積分器についても一部述べた。
著者
竹田 一郎
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.24, no.11, pp.686-691, 1975-11-10
被引用文献数
1

ガスクロマトグラフィーの保持値のデータを収集しておき、定性分析に有効に利用する方法を確立した。本法による定性分析は、保持値のデータを対数尺によりグラフ用紙上に転載後、未知試料と既知試料との横座標軸上の位置を比較することにより行われる。叉、等間隔尺及び対数尺を使用することにより、保持指数、保持時間、保持比などを任意に使用して、データの書き込み、読み出しが可能であり、更にピークの有効理論段数が分かれば、用紙上に記載されている、任意の2成分のピークの分離の程度の推定も可能である。ガスクロマトグラフィーによる日常分析に本法を使用すれば、本質的に保持指数システムによるデータ処理が、容易に機械的に行える。