- 著者
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竹田 大将
近藤 鯛貴
佐藤 裕幸
杉野 栄二
- 雑誌
- 研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
- 巻号頁・発行日
- vol.2019-HPC-172, no.3, pp.1-7, 2019-12-11
我々は低コスト・省電力・省スペース化を目指し Raspberry Pi 上の GPGPU により,高負荷計算実現が可能か研究を行っている.今回はその Raspberry Pi GPGPU の 1 応用として,超解像処理システムを構築することを検討した.超解像技術は様々な手法が提案されているが,中でも Total Variation (TV) 正則化分離を用いた手法は最も有望なもののひとつと考えられる.TV 正則化分離は,入力画像を低周波成分とエッジ成分から構成される骨格成分,高周波成分とノイズから構成されるテクスチャ成分に分離する処理である.本稿では安価でありながら理論性能 24GFLOPS の GPU (VideoCore IV) が搭載されている特徴を持つ Raspberry Pi にて超解像処理の主要計算部のひとつである TV 正則化分離の GPGPU 化について評価を行った.その結果,CPU のみで演算を行う実装に比べて約 12 倍の高速化に成功し,汎用的な PC と比較しても Raspberry Pi GPU の価格性能比は圧倒的に高いことが確認できた.