著者
竹田 等
出版者
北九州工業高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

研究目的近年、小学校第3学年から学ぶ理科(科学)離れが問題になっている。理由の一つに、小学生にとって学校などで色々なことを学ぶ機会があるにもかかわらず、学んだ知識が、どのようなことと繋がり何に役立てることができるのか分からないことが考えられる。その小学生にとって、平成23年3月11日に発生した東日本大震災は記憶に新しい。その震災で注目された一つに、太陽の集光利用がある。そこで、小学生が興味を示す太陽の集光を利用する方法として、食べた後に捨てられるポテトチップスなどの個包装の裏面の光沢を利用して簡単に作れる太陽光集光器を製作し小学生対象の出前授業用の実験教材を作ることとした。研究方法1. 集めたポテトチップスやチョコレートなどの個包装の裏面の油汚れなどを落とし光沢を出した。2. 不要なダンボールを利用して個包装を貼り付け太陽光集光器の試作品を作った。3. 水を入れた缶を2本用意し1本は試作した太陽光集光器で照射を行い、もう1本は太陽光の直射のみとして午前9時から午後4時まで温度測定を行った。4. 文部科学省新学習指導要領に準拠した「光の性質」を知る(学ぶ)ことができるように反射・集光・光の当て方と明るさや暖かさが分かる工夫を行った。5. 出前授業の実施に向け北九州市内小学校の行事を調査した。研究成果試作した太陽光集光器は、缶の水温を早く上昇させ太陽光集光器として使用できることが分かった。この集光器を、小学生第3学年の実験教材用に透明のアクリル材にお菓子の袋を貼り付け可視化を行いお菓子の袋を利用していることが見て分かる太陽光集光器を完成させた。また、光の性質を学ぶことができるように余ったアクリル材にも貼り付けて鏡として使える教材を作った。出前授業を北九州市内小学校の土曜日授業で計画していたが小学校では全学年対象の行事などにより実施できなかった。このことについて、今後の課題とした。