著者
竹脇 優太郎 岡部 亮 根本 了 青栁 光敏
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.177-181, 2022-10-25 (Released:2022-11-03)
参考文献数
6

畜産物中のキンクロラック分析法として,試料からキンクロラックをアセトン–塩酸(99 : 1)混液で抽出し,塩基性条件下酢酸エチルで洗浄した後,酸性条件下酢酸エチルで抽出し,LC-MS/MSで定量および確認する方法を開発した.開発した分析法を用いて,牛の筋肉,牛の脂肪,牛の肝臓,牛乳および鶏卵の5食品に対し,キンクロラックを残留基準値濃度および0.01 m/kg相当濃度で添加し,回収試験を行ったところ,真度85.6~93.5%,相対標準偏差1.7~6.8%の良好な結果が得られた.また,定量下限値として0.01 mg/kgを設定可能であった.これらの結果から,本法は畜産物中のキンクロラック分析法として有用と考えられた.