著者
小正 葉子 溝口 亨 久保田 仁志 竹腰 英夫
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.95-101, 2004 (Released:2004-04-27)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

エゾウコギ根抽出物(EUE)とエゴマ種子抽出物(OSE)の単独及び併用による抗アレルギー作用を検討した結果,次の成績を得た.1)Compound 48/80によるヒスタミン遊離試験では,単独及び併用で対照群と比較して有意なヒスタミン遊離抑制がみられ(p<0.01),EUEとOSEの濃度比5:1では,それぞれ単独よりも強い遊離抑制効果が得られた.2)卵白アルブミン由来のマウス抗血清に対するPCA試験では,EUE単独及び併用群の14日間連続経口投与により用量に依存した抑制がみられ,単独及び併用で対照群と比較して有意な色素漏出抑制がみられた(p<0.01).併用群の効果はEUE単独程度であったが,明らかにDSCG(インタール®吸入液)群よりも高かった.3)EUEはヒスタミンとセロトニンの皮内注射による色素漏出試験において対照群と比較して有意な抑制はみられなかったものの,用量に依存した抑制傾向がみられた.みられた.
著者
溝口 亨 加藤 葉子 久保田 仁志 竹腰 英夫 豊吉 亨 山崎 則之
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.257-263, 2004-12-10
被引用文献数
2

エゾウコギ根抽出物 (EUE) の機能性を探索することを目的とし, 動物試験を実施した。EUEの安全性評価において, 最大用量6,000mg/kgの単回投与毒性試験および最大用量3,000mg/kg/dayの2週間反復投与毒性試験では, 異常は認められなかった。ビタミンC欠乏飼料で飼育したモルモットを対照群, ビタミンC欠乏飼料にEUEを0.25%の割合で配合した飼料で飼育した群をEUE投与群とし, 30日間飼育し, 飼育28日目に除毛して背部皮膚に紫外線照射を行い, 30日目に紫外線照射部位の過酸化脂質含量および紫外線非照射部位のコラーゲン含量を測定した。その結果, EUE摂取により皮膚の過酸化脂質生成およびコラーゲン含量低下が有意に抑制されることが認められた。冷水に15分間浸漬したラットの体温低下状態からの回復時間を測定した試験では, EUE 500mg/kgの2週間投与により対照群と比較して体温回復時間が有意に短縮され, その作用は末梢血液循環改善によるものと考えられた。マウスを用いた強制水泳負荷後の水泳耐久時間測定試験では, EUE 500mg/kgの2週間投与により対照群と比較して水泳耐久時間の有意な延長がみられ, この作用はEUEの抗疲労作用による可能性が示唆された。以上の結果, EUEは皮膚過酸化脂質生成抑制作用およびコラーゲン減少抑制作用, 末梢血液循環改善作用, 抗疲労作用を有する可能性が示唆された。